半纏(袢纏)、法被、藍染め、本染めでオーダーメイドにこだわる方へ紺仁は創業260年伝統の技で世界に一枚の半纏作ります!オーダーメイド、オリジナル、名入れ、鯉口シャツ、お祭り用品、片貝木綿、着物、のれん、のぼり、筒描き製品、手ぬぐい等各種染織承ります

半纏のいろは

半纏のいろは・・・

浮世絵「火消し風俗伊達姿」より、内絆纏・・重ね着

はんてんと一口に言っても様々な様式があります。

日本人のなんとも「粋」なところは、その仕事、文様、意匠などにもふさわしい名前を付け、それを楽しむところでしょう。

昨今の祭り半纏意匠は江戸のものと言われています。中でも江戸時代の花形職業「火消し」が纏った半纏には粋な文化が根付いており、それも織り交ぜ、ここでは祭り半纏の用語や、柄、取り扱い方法についてご説明いたします。
御購入、お見積もり、お問合せの際の参考にしてください。

[check]マークが表示されている部分は御購入を考えられている御客様に特に注目してもらいたい項目になります。





「印(しるし)の名称、位置」

江戸町火消の世界では当時、字もろくに読めない人足が一目で何処の組なのか半纏の柄で解るよう、非常に合理的に、そして各組のその柄に誇りを持って生きていた。

また職人や商人も同じようにその半纏に誇りを持っている・・・

半纏の柄はただの柄じゃなく、自分を表す「印」なのです。

※紺仁では半纏の印位置の、「黄金比」を用いております。

やぶからぼうな配置では決まるものも決まりません。
企業秘密ですが格好良く様子の良く見える柄の大きさ、位置まで御客様に合わせてこだわります。

基本柄

※その他の柄の名称

画像の説明

「総柄(そうがら)」

半纏全体に柄を施したもの。

主にネズ引き染をする半纏に多い柄。







画像の説明

「裾柄(すそがら)」 「袖繋ぎ(そでつなぎ)または朱引き」

身丈下部にある巴柄は裾柄。

肩から袖口に走る柄が袖繋ぎ。






「大紋(だいもん)」

名は体を表す。いわゆる自分の位置を示す標識でもありロゴマークで、心に背負う一番大切な部分です。
様々な意匠がありますので代表的な一部をご紹介します。
※画像にカーソルを合わせると解説されます。 

日陰江戸字に赤差し黒差し 日向髭文字 日陰家紋に鏡に朱差し


日向牡丹文字 角字に短冊 短冊内に日陰江戸字赤差し  

 
亀甲に火神意匠 日向扇子紋 筒描き摩天楼

「鏡(かがみ)」

鏡とは輪郭のある大紋内部の地の意。

鏡に朱差しを施すことは元来江戸の火消しの火色を意味したと言われる。深紫や深紅は僧侶、殿上の人々だけに許された言わば禁色だった。

※画像にカーソルを合わせると解説されます。

朱鏡(赤土の顔料弁柄使用)   鏡白(かがみじろ)


鏡共色(半纏の地色と同色)   鏡藍返し(薄く藍染めし、糊伏せて藍染めを繰り返す

「江戸文字、角字、その他の伝統ある書体」

・衿字(カーソルを当てると説明します)

日向江戸字 陰江戸字 草書 勘亭流 ベンガラ出し角字 古印体 楷書体

・大紋に使う江戸字は力文字、抱字(一文字が一文字を支えあう意)、ぶっつけ等の呼び名もある。

・文字の隙間が狭いのは寄席などで「空席が無い」ということを願かけしている。

[check]紺仁では現在手に入らない江戸字職人が書いた本場の書体を使用しています。





・角字または腰文字(主に腰柄に用いる為)

角字を書き出すにはある方程式があり、それを知らぬと格好の悪い無様な字になってしまう。
角(つの)出し角字や斜めに文字線が入る字もありますが紺仁では半纏に納まりの良い字を作り出します。

※画像にカーソルを合わせると解説されます。
ネズ返し角字 白抜き角字 陰角字


[check]・''その他、お客様の持ち込み文字、牡丹文字、寄席文字、勘亭流、髭文字、行書体、楷書体、変わり文字など様々なニーズにお答えいたします。
パソコンで出した文字も職人が手書きで下書きしますので温かみのある文字になります。
お気軽にお問い合わせください。''

「日向(ひなた)と陰(かげ)」

画像の説明

「日向文字」

白抜き、ベタの意

・江戸火消しの世界では頭取、町頭、世話番が日向文字を使用していた説がある。
当時、表に立つ者の証だったという。



画像の説明

「陰文字または加護字(籠字)」

縁取りの意

・江戸火消しの世界では火懸かりをする纏(まとい)持ちが加護字を使っていたと言われる。
火懸かりする者は火事場に立ち向かい命を落としてしまうことも少なくなく、神仏の御加護を願っての衿字、大紋だったという。


「衿裏と名入れ瓢箪と小判」

[check]紺仁で作った半纏には染めの分類に分けて「〜染 紺仁製」と衿の裏に「証」を染め抜きます。

紺仁製と記すことは作り手の半纏に対する「責任」を持っているからです。

また瓢箪は無病息災(六瓢息災)という意味も持つ厄除けの縁起物です。

名入れ瓢箪、小判は衿字に名前の入らない場合に染め抜かれます。
※通常は瓢箪が染め抜かれます。
正藍染 紺仁製 松煙染 紺仁製 紺仁製 名いれ小判  紺仁製 名いれ瓢箪


「染めのこだわり」

紺仁で半纏を染める際には以下のような技法を駆使します。

※画像にカーソルを合わせると解説します。



・ネズ引き

いわゆる下染めのこと。
ネズとはネズミ色(灰色)の意味で、紺仁では染料として豆汁(豆乳)に松煙墨(しょうえんずみ)を合わせて使う。
ネズ色を出したい柄は糊伏せをし、再び染めることをネズ返しという。
藍染めの半纏にはネズを出す出さないに関わらず、藍の良さを引き出すために必ずといって良いほどネズ引きを施します。
ネズ引き  ネズを残し藍染めした総柄



・差し色(さしいろ)

衿、大紋、その他の柄に対して効き色(朱や弁柄)を入れるときに小さな刷毛を使い手で差し染める技法。
応用でボカシも入れます。
差し色  筒描きに差し色とボカシ



・筒描き

生地に防染糊をおく際に型紙を使用せず、口金のついた筒状の渋紙に糊を入れフリーハンドで柄を描く技法。
柄によって様々な形の口金を使用し、意匠に命を与えます。
筒描きで糊付け 様々な筒と口金

仕立てへのこだわり

「背縫い」

浮世絵「火消し風俗伊達姿」より鳶の妻

なぜ背縫いは「粋」なのか。

「一本筋を通す」などとも言われます。

半纏の生地は半纏の歴史と共に一巾物で作るのが基本です。
着物の反物と同じ巾で紺仁では1尺〜1尺1寸(鯨尺)で生地を作っています。
したがって背中心は必ず縫われています。

明治以降、近代化が進んだ日本では織物も広幅が出回り、広幅に対してであれば背縫いも必要なく量産型の半纏も同時に出回りました。
しかしながら半纏という日本独自の装束を考えればオリジナリティ(独自性)とトラッド(伝統)を残せる大切な部分なのです。

仕立て職人も腕の見せ所はなんといっても背縫いです。

そしてちゃんと生地の端には「耳」があり、一巾で仕立てられた半纏であれば職人が手間を存分に掛けた物的証拠となるでしょう。

[check]※紺仁では仕立ての際に一巾で作るのはもちろんですが、御客様のサイズに合わせて生地が余りすぎるとロックミシンでカットする場合があります。(特に袖)
着用していて、余った生地がせっかくの肌触りを損なう恐れがある為です。
両端の耳を残して仕立てたい場合はそのように対応致しておりますのでお気軽に申し出て頂きたく思います。


「袖付け曲仕立て」

神輿など担いだり、激しい腕の動きをした場合、袖の付け根が切れてしまうことがあったり、通常の仕立てですと身頃が引っ張られて着崩れが出てしまうことがあります。
それを防ぐ仕立て方として付け根をR仕立てにされる方も数々いらっしゃいます。
紺仁では二種類のR仕立てが可能ですので御注文の際の参考にしてください。

曲仕立ての図


「前さがり」

前下がりの付いた半纏

半纏に帯を巻くとどうしても前身ごろが上ってしまい、裾の先端が浮いてしまいます。
そうならないために必要なのが前下がりです。
前下がりにより裾が地面と平行します。

[check]※紺仁では基本的に神輿半纏や帯を〆る半纏の御注文の場合は前下がりを仕立てます。
前下がり無しでもよければお申し出いただければ対応させていただきます。



「肩当、袖口」

半纏を着ていて摩擦スレや汗など付着しやすい肩、袖先を守る染め生地ですが、洒落を遊ぶ粋な部分です。
※紺仁では通常袖口は紺仁オリジナルのそろばん玉になります。

肩当て浅葱色  袖口 そろばん玉

[check]※オーダーメイドで自分だけの柄を染めた肩当、袖口を作りたいという要望にも対応させていただきます。

オーダーメイド袖口の例

越後与板「巻匠会」様
学年で山車を出され、学年名桜学級にちなんで
型染め「桜花弁」



印袢纏取り扱い方法

「洗濯方法」

「半纏は洗濯なんかしないんだよ!着古すことがいいんだ!」

と豪語する江戸子の心意気には脱帽しますが、祭りに汗やよごれはつきものです。

半纏の正しい洗濯方法を紹介します。

1.たらい(オケ)にぬるま湯を張ります。

2.洗剤無し、もしくは少量の洗剤(中性洗剤)を入れ、半纏を浸します。

3.おつかれさまと優しく労をねぎらうように押し洗いをします。

4.たらいにきれいな水を張り、また押し洗いをするようにすすぎを2.3回繰り返し、洗剤を落としきりましょう。

5.脱水機の掛け過ぎには注意してください。スレる場合がありますのでホドホドに。

6.できるだけ日に当たらないところで、半纏を裏返して袖を物干し竿に通し、しわを伸ばす感じで引っ張ってやります。
あとは自然に乾燥するのを待ちます。


「保存方法」

よく乾燥させた半纏を悪い虫に食われないように、きれいにたたんでタンスにしまってください。

保存で特に注意していただきたいのは藍染め半纏です。

たたんだ状態で日に当たったり蛍光灯の光に当てておくと折り目などが日焼けしてしまいます。

それと湿気も大敵です。
たとえ日の当たらないタンスにしまって置いても湿度が高いと色焼けの原因になります。

一番良い方法は半纏を良く乾燥させて黒いゴミ袋(紫外線をカットします)にいれタンスなどで保存することです。

藍染めは最高の染めがゆえにデリケートで聞かん坊なところがありますが、御客様の優しい愛情で接してください。
手間が掛かる子供ほど可愛いと言いますよね?




「知れば知るほど・・・」

奥の深い半纏の世界です。

皆様のお祭り、半纏に対する情熱に少し役に立たせていただければと思いこのページを作りました。

御意見ご要望などもお待ちしております。紺仁



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